3.11. Window$9x/NT と Linux/IrDA

3.11.1. はじめに

この節の目的ですか? それは、つまり Linux ユーザには残念ながらすべての必要なハードウェア情報が与えられているわけではありません。 時にはこの情報が Window$95 を調べることによって窺えることがあります。 時にはこの二つが通信できるようにすると更に有益な情報が得られることもあります。 また Linux を使って、友達が立ち寄った際に Windows 95 ラップトップのための一時的なアクセスポイントを提供することもできます。

どこから入手するかについてですが、http://www.microsoft.com のディレクトリ /Windows95/downloads/contents/WURecommended/S_WUCommunications/W95IrDA/ 以下に Infrared Transfer (赤外線通信サポート) 2.0 のサポートパックがあります。 これは自己展開型のアーカイブで、名称は W95IR.EXE、331KB あります。 ちなみに、マイクロソフトはこのファイル (その他のファイルについても同じですが) の置き場所を気まぐれに変えます。 以前の URL は Microsoft Windows95 IrDA - Old でした。

Microsoft(tm) は Windows95 用の IrDA サポートでは都合3つのバージョンをリリースしています。 バージョン番号はコントロールパネルのソフトウェアのアイコン、および infrared.inf ファイル中にあります。

バージョン 1.0 はまだ一部のハードウェアの添付ソフトウェアの形で配布されています。

バージョン 2.0 は現在 Microsoft のウェブサイトで配布されているバージョンです。 これは自己伸張型のファイル W95IR.EXE に収録されています。 最後に私が見たときには、これは 434KB で http://support.microsoft.com/download/support/mslfiles/W95IR.EXE にありました。Microsoft のウェブサイトは頻繁に変更されていますので、 このファイルが別な場所にあったり、なくなっていたりしても驚かないでください。

バージョン 3.0 はダウンロード可能な赤外線開発キット IRDDK30 に含まれています (いました)。ただしこれが役に立つのは開発者にほぼ限られます。 これは内部的にも 2.0 とは違っており、Linux バージョン同様 "miniport" ネットワークドライバベースです。これは少し前からあり、NT も部分的にサポートしていますが、明らかに NT4.0 の主ディストリビューションには含まれませんでした。 95 向けには 2.0 のほうが恐らく適しています。但し、あなたの入手した特定のハードウェアのドライバの説明書に従って選択を行う必要があるかもしれません。

MS のウェブサイトには役に立つユーティリティの IrXfer が、IRXFER.EXE アーカイブに収録される形でおいてありました。 これは赤外線転送ユーティリティで、私の知る限り IrOBEX の一種 (IrOBEX プロトコル仕様書による) を使っています。 このユーティリティは自由にダウンロード可能なものでしたが、最後に見たときには見つけることができませんでした。 これは良質のグラフィカルインターフェースを持つユーティリティで、IrDA を使ってコンピュータ間でファイルの転送を行えます。

一部のラップトップ機、たとえば HP Omnibook 800 では、このパッケージにベンダで手を入れたものを使う必要があります (HP Omnibook 800 ではリカバリ CD に収録されています)。

特に、..\windows\inf\*.inf ファイルとデバイスマネージャは、設定の詳細を知るために参考になります。

私の知る限り、Window$ NT は IrDA(TM) をサポートしていません。Window$98 については、私が聞いた範囲では IrDA はまだサポートされていません。 Countersys 社 (http://www.countersys.com) は自社の JetBeam 製品向けに NT4.0 向けの IrDA を販売しているということです、また Microsoft は JetBeam 向けにはそれを使ってくださいといっています。

以下は私の知る限り、ですが

これ以外に M$ 社以外からの製品がいくつかあります。注意点として、これらのいくつかは専用の特殊なプロトコルを使っています。

3.11.2. Linux/IrDA と Window$95 IrDA(TM) 間の接続

IrNET が使えます。

私の知る限り、Linux/IrDA と Window$95 を接続するには4つの方法があります。

  1. 二台の PC 間でのネットワーク接続。もし赤外線転送サポート 2.0 を設定済みならば、<Network Device Section> に赤外線ネットワークデバイスが現れるはずです。 ただし、現在のところネットワーク接続を動作させることはできていません。

  2. IrCOMM 経由の login を許すには、以下の手順を root で行ってください - まず IrDA と IrCOMM を使えるようにします。 次に /etc/inittab を編集して次のような行を追加してください。
       T1:23:respawn:/sbin/getty -L -w ircomm0 38400 vt100
    そして root で init q としてください。これで init は入ってくる IrCOMM 接続を待つようになります。これであなたのお好きな Linux マシンの login プロンプトを Win95 のターミナルエミュレータで見ることができるようになります。

  3. pppd を試そうとする場合、-crtscts オプションを付けてフロー制御を殺した状態で試してみてください。 フロー制御サポートも多少の実装を試みてはいますが、まだテストされていません。

    現在私のパッチは、接続先の赤外線通信デバイスにはどの機能が必要かを報告するようになっています。 syslog に出力されるメッセージは以下のようなものです。
    Sep 4 10:01:02 monolith kernel: parse_control:instruction(0x12)
    Sep 4 10:01:02 monolith kernel: data:03

    特に、SH888 でのメッセージ (および Win95 PC 以外の赤外線デバイスでのメッセージ) を知りたいので、IrCOMM 接続の間に syslog に出力されるメッセージを私宛メールお願いします。 もし、IrDA(TM) 発行の IrCOMM 仕様書をお持ちなら、p.34 と 38 を見ていただければ、メッセージが何を意味しているのか分かると思います。

  4. Fons Botman さんによると「IrLPT もうまく動作します。Linux を IrLPT サーバにし、Windows 95 を MS-IrDA をインストールした後に定義されている仮想 LPT ポートを使うようプリンタを設定します。 Windows 95 は定期的に短いシーケンスをプリンタに送りますが、これが何であるのか今のところまだ解析中です (原注: この記述は多分もう古いでしょう)」

3.11.3. Win98 機と Linux 間の通信

Ha Duong Minh さんによると「今日、openobex (http://sourceforge.net/projects/openobex/) プロジェクトの ircp について報告できることを嬉しく思います。 ircp は現在、linux マシンと win98 機との間で魔法のようにファイルの転送ができています。これ以上簡単にはできない、という方法で。 ircp file1, file2, ... または ircp -r [DEST] Send files とやれば IrDA でファイル転送ができます。受信するには -r を使ってください。